
燕の商店街にひっそりと、しかしひと際の存在感で佇むロンドン。扉を開けると、照明を落とした暗めの空間に使い込まれたテーブルやソファ──創業した昭和42年当時そのままの雰囲気で迎えてくれます。「私の父は発想豊かな人で、それまで営んでいた遊技場を、〝これからは喫茶店だ〞と改装して私に継がせたんです。店名も内装も父のアイデア。そのセンスを受け継げば、もうちょっといい店になっていたのかもしれませんねぇ」。そうマスター・吉野さんは謙遜しますが、そんな吉野さんが営むからこそ、ロンドンは今も愛され続けているのだと思います。